さめない夢を
此処に居るには夢が必要だ
ひとつを守るために
私が失ったものに後悔などないけれど
むくわれないなとおもう
むくわれようと思って生きてきたわけでもないけど
悲しいなと思う
私はとうとう誰から見ても哀れな女になってしまったよ
私は自分を哀れとは思わないけど
悲しいなとおもう
無防備に微笑たたえてずっと
ひとつを守って佇んでいた木偶の私の上から
バケツ100杯もの泥が次、次に落ちて来たよ
それも二十七年間、関わった人に
そんな気分
誰のことも同じに見える
まったく私と同じ立場でありながら、私が守るひとつではなく、当たり前に自分のことを第一に考える人ばかりだから
どこを見てもそうだ
私はこんなにされても
まだ私を第一には思っていない
ボロボロにされたって私個人の悲鳴はぶつけなかった
私は私が守りたかったひとつを思って
やっとそのために言葉を返すことができたのだから
でもその相手はそんな仕打ちをしておきながら、事の大元はお前のせいだとそんな言い訳まで私にしていた
私には夢が必要なようだ
現実の空間で心を動かすことなく手足動かすには
さめない夢が必要だ